別々のIPで複数ドメインを割り当てる場合(ローカルIPをルータの静的マスカレード機能で割当て公開)
構築したメールサーバについて、複数ドメインをルータの静的マスカレード機能を利用して、別々のローカルIPアドレスを割り当てて公開する場合は、以下のような設定を行ってください。なお、アカウント管理方法についてはE-Post側でSoftアカウント(独自アカウント方式)にしておく必要があります。
domainA.co.jpとdomainB.co.jp をルータの静的マスカレード機能を使って別々のIPで接続させて利用する事例
まずルータの静的マスカレード機能を使って、以下のようにローカルIPアドレスを設定、メールサーバに割り当てます。
domainA.co.jp をグローバルIP(210.xxx.xxx.xx1)で公開 → ルータ →(サーバに割り当てるローカルIP)192.168.0.2
domainB.co.jp をグローバルIP(210.xxx.xxx.xx2)で公開 → ルータ →(サーバに割り当てるローカルIP)192.168.0.3
- サーバ側の設定
E-POSTコントロールセンターのメールサーバ管理から[システム管理メニュー]をクリック、[サービス制御]で各サービスを停止しておく。
続いて[ドメイン管理]を選び、[ドメインの新規作成・設定変更]をクリック、「既設ドメインの設定変更」で表示されたドメイン一覧から選択して、[詳細設定を開く]ボタンをクリックする。
- domainA.co.jp のメールボックス選択
「接続IPドメインで区別する」
IPアドレス(SMTP)= 192.168.0.2
IPアドレス(POP3)= 192.168.0.2
IPアドレス(IMAP4)= 192.168.0.2
フォルダ名 = domainA.co.jp
- domainB.co.jp のメールボックス選択
「接続IPドメインで区別する」
IPアドレス(SMTP)= 192.168.0.3
IPアドレス(POP3)= 192.168.0.3
IPアドレス(IMAP4)= 192.168.0.3
フォルダ名 = domainB.co.jp
[サービス制御]でその後各サービスを開始する。
- 静的マスカレード機能を利用するルータ等での設定
公開するグローバルIPとサーバに割り当てたローカルIPの引き当ができるよう、静的マスカレード機能を設定します。静的マスカレード機能は、「ポートフォワーディング」機能などとも呼ばれます。詳細はルータの説明書を参照してください。
- クライアント側の設定
メールクライアントから、POP3/IMAP4プロトコルを使ったアカウント接続方法ですが、いわゆるユーザーID項目については[アカウント]のみでも可、[アカウント]@[domain]または、[アカウント]%[domain]でも使用可能です。仮にユーザーアカウントを"taro"とすると次のようになります。(@や%は半角です)
- メールクライアント側からdomainA.co.jp への接続
ユーザーID=taro または taro@domainA.co.jp taro%domainA.co.jp
パスワード=従来通り
- メールクライアント側からdomainB.co.jp への接続
ユーザーID=taro または taro@domainB.co.jp taro%domainB.co.jp
パスワード=従来通り
なお、メールクライアントから、SMTPプロトコルでメールサーバに接続するとき、それぞれのドメインに対応したSMTPサーバのドメイン名あるいはIPアドレスに接続する必要があります。
もし、domainA.co.jp のユーザーが domainB.co.jp へ接続を試みた場合は、受信はできても、送信は拒絶されます。domainB.co.jp のユーザーが domainA.co.jp へ接続を試みた場合も、受信はできても、送信は拒絶されます。これは、物理的には1台のサーバマシンで処理されているものの、ソフト的には異なるマシンとして扱っているためです。