複数MXレコードへの対応とグレイリスト方式への対策について
相手のサーバがグレイリスト方式を採用しているときの対策について、その仕組みと、E-Postシリーズの仕様を理解して対策の設定を行う必要があります。
相手のサーバがグレイリスト方式を採用していて、1回目の接続時には必ず拒絶する設定になっているとすると、E-Post Mail Server/E-Post SMTP Serverシリーズでは、最初にMXレコードを参照して接続を試みた後、その動作が失敗したときは、次に、Aレコードに書かれたドメインに接続しようと試みます。これは、E-Postシリーズ独自で工夫されている仕様です。
これは、今だに、DNSのMXレコードをきちんと記述していないドメインやサーバがたくさん存在しており、そうした設定の「ルーズ」なドメインやサーバへの対応策です。ちなみに、この仕様は変更できません。
■配送およびそのリトライ動作について
MXレコードの参照によって、MTAへの接続・送信を試みます。
メールサーバ内にMXのキャッシュ情報があればそちらを優先します。
MXのキャッシュ情報で送信失敗した時は、DNSサーバに対して、MXレコードの参照を行います。
1が失敗した場合、@以降に書かれているドメインを Aレコードとして送信を試みます。
上記1.2.をリトライ動作ごとに繰り返します。
こうしたことから、相手のサーバがグレイリスト方式を採用していることが判明しているときは、リトライを1,2回で終えるのではなく、最低でも3回、できれば5回以上のリトライがされるように設定を行うことがベストです。
その理由としては、たとえば、下記のような複数MXレコードがあり、グレイリスト方式を採用しているケースでは、メインのMXレコード → A レコード → サブのMXレコード → Aレコード → という順番で配送が試みられるため、リトライ動作に入って、メインのMXレコードにつながるためには、5回以上のリトライが必要になってしまうケースも考えられるからです。
グレイリスト方式が採用されているサーバの場合、1度目は拒絶されることを考えても下記例のように最大で5回リトライされるケースも予想されます。なお、この例では、MXレコードを記述している以上、当然のことながらAレコードを参照して接続してきた相手に対しては拒絶するポリシーにしているという想定です。
1回目・・メインのMXレコード"mail1.domain.jp"に接続 → グレイリスト方式で1回目の拒絶
2回目・・Aレコード"domain.jp"に接続 → サーバのポリシーで常時拒絶
3回目・・サブのMXレコード"mail2.wh.domain.jp"に接続 → グレイリスト方式で1回目の拒絶
4回目・・Aレコード"domain.jp"に接続 → サーバのポリシーで常時拒絶
5回目・・メインのMXレコード"mail1.domain.jp"に接続 → グレイリスト方式で2回目の接続OK
従って、E-POSTコントロールセンターのメールサーバ管理から[システム管理メニュー]をクリック、[SMTP送信詳細]を開いて表示される「SMTP送信詳細設定」画面にある「リトライ回数(受信拒否)」を設定するとき、上記のことを念頭に置いてリトライ回数を設定してください。