無制限ライセンスが必要になる状況は避けてください
E-Post SMTP Server・E-Post Mail Serverシリーズを設定したとき、E-POST コントロールセンター(メールサーバ管理)の「バージョン情報」ボタンをクリックして表示された情報が「無制限ライセンスが必要です」表示になるケースがあります。無制限ライセンスが必要な状態になってしまうと、必要なライセンス数が超過しているとみなされ、E-Post関連のサービスが応答しなくなり、SMTPサーバ・メールサーバとしての動作をしなくなります。無制限ライセンスが必要になってしまう状況に陥ると問題ですので、このような状況になることは絶対に回避してください。無制限ライセンスが必要になってしまうケースは大きく次の3通りです。
1.登録アカウント0のまま、SMTPゲートウェイ処理の設定を行っている
登録されているアカウントが"0"の状態で、SMTPゲートウェイの設定を行おうとすると、無制限ライセンスが必要な状態になります。
これを防ぐためには、通過させるアカウント単位ごと、エイリアスを設定・登録してください。ただし、その分だけライセンス数が必要になります。
SMTPゲートウェイとしての用途であるため、ドメイン名のあるすべてのアカウントを無条件に通せればよいということでしたら、後段のメールサーバの持っているドメインとは異なるドメイン名(サブドメイン名で可)を作り、ダミーのアカウントを1つ以上登録します。
このとき、エイリアス:*@domain.jp → 実アドレス:*@domain.jp の設定を行う方法で、メールサーバの持っているドメイン名をもつ任意アドレス宛のメールを通過させることができるようになります。ただし、存在しないアカウント宛のメールでも、無条件に後段のメールサーバに通します。そういう理由からセキュリティは下がります。
ちなみに、セキュリティ面を第一義に考えるなら、メールサーバと同数のアカウント単位でエイリアスを作って、通す方が望ましいといえます。SMTPゲートウェイとして利用するときでも、存在しないアカウントは、後段のメールサーバでなく前段のSMTPゲートウェイのところで、user unknownで拒絶することができるからです。
その一例がバウンスメール対策です。スパマーによって、特定の存在しないアドレスが勝手にエンベロープFrom:に使われ、外部から大量発信されたとき、その後、無効アドレスに対するバウンスメールを大量に受けることになりますが、そのようなメールはSMTPゲートウェイの位置で拒絶されるため、後段のメールサーバで受けるバウンスメールが劇的に軽減されることが期待できます。
SMTPゲートウェイの設定を行う際、メールサーバと同数のアカウント単位でエイリアスを作る以下のFAQ記事で記述した方法を推奨します。SMTPゲートウェイには、メールサーバと同じドメイン名は作らずにおいて、「エイリアス設定」にて、通過させるアカウント単位ごと、エイリアス: user1@<domain.jp> → 実アドレス: user1@<domain.jp> の設定を登録します。
(関連FAQ)
●SMTPゲートウェイとして利用したい
2.登録アカウント0のまま、送信用SMTPサーバ・メールサーバの設定を行っている
E-Postに登録するアカウントが"0"の状態で、送信用SMTPサーバ・メールサーバの設定を行うと、無制限ライセンスが必要な状態になります。ドメインを登録していないか、あるいはドメインが登録されていてもアカウントを1つも登録しないときは、無制限ライセンスが必要な状態となります。通常ならその状態ではメール送信できません。
ところが【effect.dat】にドメイン名かIPアドレスのどちらかをtrue指定する設定を組み合わせることで、アカウントが1つもなくても、存在しない適当なアカウントでSMTP送信を可能にさせることができます。
【effect.dat】の設定は次の通りです。E-POSTコントロールセンターのメールサーバ管理から[システム管理メニュー]をクリック、[全設定(サーバー環境設定)]の中ほど[中継の制限]の[マシンごとの中継]、もしくは[中継の制限]で表示される「中継の制限設定」にある[マシンごとの中継]ボタンをクリックして表示される「effect.dat」を編集、記述することができます。
しかしながら、無制限ライセンスを必要とする状態のまま、ここにあげるような手法を組み合わせて送信用SMTPサーバとして使うこと自体、一切想定しておりません。また【effect.dat】の内容次第では、アクセス可能な内外のコンピュータがbot感染している危険性を考慮すると、E-Postがなりすまし被害に会ったり、逆に加害者となったりする可能性が出てきます。
送信用SMTPサーバ・メールサーバとして使用するときにも、【effect.dat】の内容に不正利用やなりすましのおそれがないか、チェックすることが大事です。それと共に、送信クライアント側で使っているドメイン・アカウントをAccount Managerに正しく登録することが必須です。それらの方法があくまで通常の運用方法となります。ドメイン・アカウントを最低でも1つ登録して、購入済みライセンス数の枠内にさえ収まれば、ライセンス状態は正常に戻ります。
(関連FAQ)
●送信専用用途でもSMTPゲートウェイ用途でもアカウント数 "0" は避けてください
3.エイリアスを作成するとき対応するメールアドレスをワイルドカードで設定している
登録されているアカウントが"0"のままの状態で、エイリアスを作成する際、エイリアスに対応するメールアドレスを下記のようにワイルドカードで設定すると、無制限ライセンスが必要な状態になります。
エイリアス: alias@domain.jp → 実アドレス: *@domain.jp
エイリアスに対応するメールアドレスをワイルドカードで指定しないで、メールアドレスごとにエイリアスを作成します。なお、作成したエイリアスの数も合算されて必要ライセンス数にカウントされます。