IMAP4使用時に Outlook 2013 から削除したはずのサブフォルダが不可視属性になりそのまま残っている

Outlook 2013で使用時にIMAP4サーバ上に作られたサブフォルダを削除するコマンドを実施したとき、Outlook 2013 の画面上からは“消えた”状態になるにもかかわらず、IMAP4サーバ上には該当サブフォルダがそのまま残っていたり、該当サブフォルダが不可視属性にされて残っているケースがあります。この一連の現象についての原因と理由について、弊社は次のように考えています。

まず、メールサーバ側において、E-Post IMAP4サービス(epstimap4d)は、データの中身のあるフォルダについては削除しない仕様になっています。
フォルダ削除の命令は、DELETE命令ですが、その挙動について、該当フォルダにメッセージやフォルダがある場合は該当フォルダの削除は行いません。これは現行の E-Post IMAP4サービス(epstimap4d)の仕様です。
データの中身があるフォルダを削除する命令を受けた場合には、"NO DELETE failed"のエラーをメールクライアントに返します。このとき、ログ(receiveimap4)には"NO DELETE failed"が記録されます。
ですから、フォルダやサブフォルダを削除したい場合は、フォルダに残されているメールを先に削除してフォルダを空にします。フォルダが空になった状態になればフォルダ削除が可能となります。このとき、epstimap4dは、フォルダに含まれるuid,ridファイルは削除しますので、この2つのファイルだけフォルダに残っている場合はフォルダの削除は成功します。
(※)下記の Outlook 2013 での試験内容と操作結果の違いを参照。

つまり、この一連の現象の原因と理由については、現行のE-Post IMAP4サービス(epstimap4d)の仕様と、メールクライアント側 Outlook 2013 において、中身があるフォルダということでメールサーバが削除しなかったり、削除できなかったフォルダにもかかわらず、不可視フォルダにするなどの手法で、おそらく Outlook の画面上からむりやり見えなくしてしまうという Outlook 2013 固有の仕様との関係性で起きる現象であると考えます。
それが証拠にと言えるかどうかわかりませんが、他のIMAP4対応メーラーを使ってのフォルダ削除について、このような問題が起きることは一切報告されていません。

この現象の対応策としては、下記の通り2種類の方法を提案します。
1つは Outlook 2013 の削除対象フォルダの中身であるメールデータをユーザーは必ず「すべて削除」コマンドなどで削除してから、「フォルダの削除」を実行することです。これについては、下記に Outlook 2013からの操作方法の違いによって異なった結果になりましたので、参考資料として付記します。
ちなみに、これまでの操作により、「削除済みアイテム」フォルダ下に残ってしまったと思われる隠し属性のフォルダは、システム管理者が削除してください。なお、調べた結果は見える属性のフォルダになっているケースも確認されています。

なお、現行のE-Post IMAP4サービスでは、事前にオプションを設定しておくことで、Outlook 2013からの「フォルダの削除」や「フォルダを空にする」コマンドを使ったときに、フォルダの中身がある場合でもフォルダと中身のデータを一緒に削除することが可能になっています。ユーザーが上記手順を守らず、フォルダの中身があるままでフォルダの削除を行おうとするような習慣が多分に行われるような環境下では、あらかじめ設定しておくことをお薦めします。
●削除対象フォルダにメールやサブフォルダが含まれていても削除可能にするオプション
[メール作業フォルダ] (既定値 /var/spool/epms/)
 →reg
  →epost
   →ims
    →AutoSubDirAndMsg.1
     1:(デフォルト)削除する 0:削除しない
     ※拡張子(.1)は、DWORD値であることを表わす

〔試験内容と操作結果〕
■Outlook2013側の操作方法の違いとそれぞれの異なる結果について

A.「削除済みアイテム」フォルダ下に不可視属性フォルダが残るケース
 受信トレイからメール入りフォルダ削除
  ↓
 フォルダごと削除済みアイテムへ移動
  ↓
 該当フォルダを選択し「フォルダ削除」
  ↓
 Outlookからは見えなくなるが不可視属性フォルダとなって残る
 そのフォルダ下にはメールデータも残存

B.「削除済みアイテム」フォルダ下に見えるフォルダのまま残るケース
 受信トレイからメール入りフォルダ削除
  ↓
 フォルダごと削除済みアイテムへ移動
  ↓
 「削除済みアイテム」フォルダを選び「フォルダを空にする」
  ↓
 Outlookからは見えなくなるが、実際には見える属性のフォルダとなって残る
 そのフォルダ下にはメールデータも残存

C.「削除済みアイテム」から正常に削除されるケースその1
 受信トレイからメール入りフォルダ削除
  ↓
 フォルダごと削除済みアイテムへ移動
  ↓
 該当フォルダを選択「すべて削除」を実行してから「フォルダ削除」
  ↓
 正常に削除

「すべて削除」を実行してフォルダを空にしてから「フォルダ削除」を実行するとフォルダは正しく削除されます。

D.「削除済みアイテム」から正常に削除されるケースその2
 受信トレイからメール入りフォルダを選び「すべて削除」
  ↓
 メールだけ削除済みアイテムへ移動
  ↓
 「削除済みアイテム」フォルダを選び「フォルダを空にする」
  ↓
 正常に削除

「すべて削除」を実行してフォルダを空にしてから「フォルダを空にする」を実行するとフォルダは正しく削除されます。

E.「削除済みアイテム」から正常に削除されるケースその3
 受信トレイからメールなしフォルダ削除
  ↓
 フォルダごと削除済みアイテムへ移動
  ↓
 該当フォルダを選択し「フォルダ削除」
  ↓
 正常に削除

※メールのない空のフォルダの「フォルダ削除」を実行するとフォルダは正しく削除されます。