Outlookが作成するフォルダ「削除済みアイテム」内に大量のデータを残したまま運用しているとIMAP4サーバ負荷が高まる

Outlookがデフォルトで作成するフォルダ「削除済みアイテム」内に大量のデータを残したままの状態で運用している場合、メールクライアントのOutlookからメールを削除する際には「削除済みアイテム」にデータが格納されるのですが、このときIMAP4サーバ負荷が高まる可能性があります。サーバ負荷が高まること自体、即危険な状態ではありませんが、「削除済みアイテム」フォルダ内に大量のデータが残っている状態をそのまま放置しておくと、やがて危険な状態に陥る可能性があります。

実はユーザーからの報告で、大量のメールが格納されている「削除済みアイテム」フォルダに大量のデータを格納しようとすると、CPU使用率が30〜40%を超える状態になってしまうという相談を受けたことがあります。大量のメールが格納されている「削除済みアイテム」フォルダに、大量のデータを格納しようとするとCPU負荷が高まるというこの報告現象には整合性があります。「削除済みアイテム」フォルダ内に万が一、大量のファイルが残っているままの場合は、メールクライアントからではうまく操作できない可能性があるため、直接サーバ側から拡張子.MSGのメールデータファイルを削除して格納されているファイル数を減らす必要があります。

Outlook側で表示されている「削除済みアイテム」フォルダは、メールサーバ側では UTF7拡張 でエンコードされたフォルダ名となっており、"&UkqWZG4IMH8wojCkMMYw4A-" と表示されています。該当ユーザーのメールボックスフォルダ配下にあるこのフォルダ内にメールデータファイルがどの程度たまっているかを確認し、格納されている[ファイル数]を確認してください。「削除済みアイテム」フォルダにメールデータが大量に溜まっていて、ファイル数が千を超え万単位に及んでいる状況であれば、CPU負荷が高まるのは当然の結果となります。対応策としてはとにかく拡張子.MSGのメールデータファイルを削除し、格納されているファイル数を減らすようにします。

負荷が高まる理由について説明します。
このことは、大量にメールが残っている「削除済みアイテム」フォルダの件と同じように、たとえば「受信トレイ」に格納されたメールをサブフォルダに小分けせず、そのまま大量になった状態で運用を続けていると、パフォーマンス低下・負荷増大する結果となります。これも同様の理由です。

ちなみに、これまで経験した内容で言うと、CPU負荷が30%程度まで上がるレベルでは、「動作している」からこそであって、早めのチェックが必要な注意喚起状態と言えます。30%程度に負荷が上がったままの状態が続くなら一種の警告信号ととらえ、もし60%程度に上がったままの状態が続くなら、かなり劣悪な危険信号としてとらえることを薦めます。ただし、この数字はあくまで目安であり、絶対的な指標ではありませんので留意してください。

実は、1フォルダ内にもっと多いファイル、たとえば10万ぐらいのファイルが格納された状態になると、CPU使用率の負荷はあたかも正常値の範囲でほとんど上がっていないのにもかかわらず、パフォーマンスが極端に低下、数字上はなんとか動いているようにも見える一方で、実はまったく動いていない(動けない)ような状態に陥ります。これを比喩で言いますと、泥沼に脚を取られて、まったく動けないような状態に近いと言えます。
CPU使用率上昇は一種の注意喚起として考え、メールサーバとしては、各種フォルダを含めたメールボックスフォルダなど、1フォルダあたりの直接置かれるファイル数が1000を超えないよう、運用管理に気を配ることが大事になります。メールクライアントにOutlookが使われる環境では特に「削除済みアイテム」内の格納データ数過剰には気を付け運用管理してください。

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