E-Post方式クラスタとは何ですか? HAクラスタ構成の専用OSに変更する必要がありますか?

E-Post Mail Serverシリーズ、E-Post SMTP Serverシリーズ製品のクラスタモデル版で実現できるE-Post方式のHAクラスタ機能は、特に別途専用ソフトを必要としない方式で、サーバ2台とネットワーク共有ドライブ装置で冗長化構成を構築することができます。

E-Post方式HAクラスタ機能は、冗長化に主な目的をおいています。アクティブ−スタンバイ方式のフェイルオーバー/フェイルバックの構成です。2つのマシンで1つの仮想IPをもったメールサーバを構成し、マスター側にしているノードがシステム障害で停止しても、スレーブ側のノードが肩代わりして、稼働を続けます。停止したマスター側ノードが復旧したときは、スレーブ側からマスター側にバトンを戻します。このようなフェイルオーバー/フェイルバック動作によって、メールサーバ、SMTPサーバの冗長化がはかれます。

NASなどのネットワーク共有ドライブ装置、あるいは、Windows Serverで構築したネットワーク共有ドライブで動作します。UNC名でアクセスできれば種類は問いません。NASはWindows系のもののみ対応です。Linux系のものには対応していません。なお、これらネットワーク共有ドライブは、Ethernet の転送速度がボトルネックとなる可能性があります。もとよりE-Post方式クラスタ機能は、I/O性能が限られるネットワーク共有ドライブを利用するため、user数が多く、メール流量の多い大規模な環境には向きません。

500userを軽く超えるなど、きわめてuser数が多く、しかもメール流量の多い大規模環境には、Windows Server に含まれるMSFC機能を利用して、MSFCでのフェイルオーバークラスタ構成を構築するようにしてください。MSFCクラスタでは、FCやiSCSIなどの共有ディスク専用ストレージを使用するため、パフォーマンスが問題になることはないと考えております。

クラスタモデル版で構築したフェイルオーバー/フェイルバックの構成モデル図