個別メールフィルタ設定で制限しているとき、他アカウント宛に同報すると同じように制限されてしまう

アカウント単位で設定が可能な個別「メールフィルタ設定」を行っているとき、個別メールフィルタ設定により受信制限をかけているユーザーと、かけていないユーザー両方に同報されたメールを受ける場合、同報されたどちらのメールも同じ受信制限がかかります。

現行の E-Post Mail Serverシリーズ での個別メールフィルタ設定では、該当の個別アカウント宛に送られたメールであれば、正しい動作をしますが、同じ1メールで他アカウント宛に同報された場合は、個別メールフィルタ設定をしていないアカウントに対しても、同じフィルタ設定が適用され働いてしまいます。これは現在の仕様で避けることができません。

【全体・個別メールフィルタ設定での原理的な仕組みについて】

E-Postシリーズの全体・個別メールフィルタ設定("mail.dat","virus.dat")は、下記のSMTPプロトコルの流れにおいて、どの位置で処理されているのかと言えば、DATAコマンドでデータ受け取ってから後の処理となっています。(〔1〕の位置)

メールフィルタ機能でFrom、To判定を行うときは、エンベロープレベルでのFrom、Toによる判定をしておらず、ヘッダレベルでの判定が行われています。さらに送信先ごとに是か非かの応答を返しません。メールフィルタ機能の主要な用途は、ヘッダレベルでの件名、本文、独自ヘッダなどをマッチングさせ判定させることに重きを置いています。

以上のことから、個別のメールフィルタ設定において、拒絶条件で仮にマッチした場合、DATAコマンドの応答として、一括での結果応答となってしまいます。このことは、同報されたメールは、一つの個別メールフィルタに引っかかってしまうと、同報された他のアカウント宛に対しても、同じように拒絶されてしまう結果となります。

【SMTPプロトコルの流れとメールフィルタでの動作について】
 -------------------------------------------------------------------------
 Helo xxxx
 〈応答〉
 Mail From: xxxx
 〈応答〉
 Rcpt To: xxxx
 〈応答〉← 送信先毎の結果応答
 Rcpt To: xxxx
 〈応答〉← 送信先毎の結果応答
 Data
 .   ← コロンで終了
 〈応答〉← 個別mail.dat/個別virus.datの結果応答 〔1〕
 メッセージを参照した結果での応答のため送信先毎の結果応答ではない
 -------------------------------------------------------------------------

【個別メールフィルタ設定での課題に対する対応策について】

個別メールフィルタ設定でのこの課題に対して、代替策を検討した結果、次回の最新差分アップデートで組み込まれるEPSTRSのバージョンv4.89以降で、個別アカウント単位でのエンベロープレベルでの条件を判定して拒絶できるようにするため、個別アカウント単位での【effect.dat】が有効になる機能が追加実装されました。

(関連FAQ)
個別アカウント単位で【effect.dat】を有効にする機能が新しく追加実装されました