E-PostシリーズでHELO応答するFQDNについて

E-Post Mail Server (x64)・E-Post SMTP Server (x64) シリーズでSMTPプロトコルで接続した際にHELO応答するFQDNについて、E-Postは何をどのように参照して表示しているかについて、説明します。
基本的にE-Postシリーズでは、運用する登録済みドメイン名をhostsファイル内に記述していただくようお願いしております。特に内部アカウントどうしで送るときに、EPSTRSサービスが逆引きで利用する部分があることや、自動転送機能・メーリングリスト機能が使われる際には名前解決が必要とされることから、できるだけhostsファイルを明示的に記述していただくことをお願いしてきました。(下記FAQ記事参照)
メールサーバーマシンのhostsファイルにグローバルで公開しているメールサーバーのFQDN(ホスト名+ドメイン名)を自身のローカルIPと関連付けを行って記述しておくと、それに準じて、E-Post SMTPのSMTP受信サービスであるEPSTRSサービスがHELOで応答するFQDNを表示するようになります。

(関連FAQ)
HELOコマンドで送出するホスト名がFQDN(ホスト名+ドメイン名)になっていない
Received:ヘッダに該当しない別のドメイン名が表示される
hostsファイル記述の必要性と有用性について

なお、内部アカウントどうしで送るケースや自動転送・メーリングリスト機能の利用などがまずないという理由で、あえてhostsファイルを記述しない設定もケースとしてはあり得、絶対不可というわけではありません。仮に、もしそのような状況の場合、EPSTRSサービスは、次のルールにもとづいて、HELOで応答する際のFQDNを内部で自動生成して応答します。

[Windowsのコンピュータ名].[E-Postに登録されているドメインのDomain Listsに表示される先頭のドメイン名]

例)Epost01.test-sample.jp

また、E-Postに作成していないドメイン名を適当にhostsファイルに書いたときも、この状況と同等の動きになります。
こうした自動生成されたFQDNで支障がある場合は、特に作成済みドメインとIPアドレスを関連づけたhostsファイルを明示的に記述してください。
ちなみに、E-Post内部の仕組みにさらに少し踏み込んだ話しですが、E-Post SMTPの配送サービスであるEPSTDSサービスでは、HELOにつづくFQDNとして、エンベロープ情報を記述した".RCP"ファイル内に書かれる"Message-ID:"行の@マーク以降のFQDNを利用します。".RCP"ファイルは、メールキューフォルダであるincomingフォルダに".MSG"ファイルとともに生成されて、EPSTDSサービスによる配送時・送信時に用いられています。
".RCP"ファイルの中身を確認する場合は、EPSTDSサービスを一時的に停止しておくと、incomingフォルダに滞留されますので、そこで確認することが可能です。確認した後、EPSTDSサービスを再開すれば、自動的に配送が試みられます。ちなみに、".RCP"ファイルの"Message-ID:"行は、EPSTRSサービスによりメール受領時点で作成されますが、そのときの生成ルールは「接続元IPからのhostsを見た上での逆引き結果」の内容が使われます。
hostsファイルに書かれていないケースや、E-Postに登録されているドメイン名が見つからないケースなど、逆引きできなかった場合は、EPSTRSは、[コンピュータ名].[E-Postに登録されているドメインのDomain Listsに表示される先頭のドメイン名] というFQDNを自動的に生成します。このFQDNとメッセージIDが合わさって".RCP"ファイルの"Message-ID:"行に記載されることになります。

例)Message-ID: <B0000123123@Epost01.test-sample.jp>

以上、少し立ち入った内容ですが、理解の助けにしてください。