メールクライアントから接続するユーザーIDに@以降が必要なケース

原則として、作成したドメイン名が「共通ボックス方式」を取っているときは、メールクライアントから接続するユーザーIDとして@以降は不要ですが、完全マルチドメイン設定を行うために「接続するIP/ドメインで区別する」方式に切り替えたときは、メールクライアントから接続するユーザーIDとして、@以降が必要になります。
ちなみにActive Directory連携(LDAP)利用のときは、「共通ボックス方式」のみが有効ですので、メールクライアントから接続するユーザーIDは@以降が不要のタイプとなります。
通常のシングルサーバとしてメールサーバを構築しているとき、メールクライアントでの接続方法を切り替えない状況でも、接続そのものは可能で、そのままPOP受信も可能に見えますが、上記2つの方式では、メールデータのフォルダ位置が異なるため、POP受信しても肝心のメールは“常に来ていない状態”になってしまいます。方式を切り替えたときは、メールクライアントの接続するユーザーIDもいっしょに切り替える必要があります。

(例)作成したアカウントを user、作成したドメインを abc.co.jp としたとき。
 ・「共通ボックス方式」のとき・・・ "user"のみでログイン
 ・「接続するIP/ドメインで区別する」方式のとき・・・ "user@abc.co.jp"でログイン

なお、次は基本的な関連事項、および公開メールサーバを構築する際の応用的な事例です。ケースによって、メールクライアントの接続するユーザーIDに@以降が必要か不要かは、これらの原則からは少しずつ変わってきますので、ご注意ください。

(関連FAQ)
1つのIPアドレスで複数ドメインへの接続を処理したい場合
別々のIPで複数ドメインを割り当てる場合(グローバルIPで直接公開)
別々のIPで複数ドメインを割り当てる場合(ローカルIPをルータの静的マスカレード機能で割当て公開)