01.Windows系OSを使うメリット

昨今では、サーバーOSとしても、Windows系のOSが採用される機会が多くなった。
そこで、本章では、Windowsマシンでメールサーバーを構築するメリットには、どのような点があるのかをあげてみた。

  1. 利用できるアプリケーションが豊富である
    Windows系OSは、周知の通り、利用できるアプリケーション・ツール類が非常に豊富だ。
    インターネット関連のサーバーソフトウェアについても、IISの性能・機能は、Apacheのそれに追いつき、さらに上回る勢いで、非常に安定してきている。ApacheもWindows版のものがリリースされ、安定してきている。
    また、CGIでよく利用されるスクリプト言語として、perlやPHPなども、Windows対応のものがリリースされ、無理にLinuxサーバーにしなくても、インターネット公開するサーバーとして、たやすく利用することができるようになった。

  2. 運用時の操作が楽で、使い慣れている人材が多い
    例えば、マシンのハードディスクが壊れてしまって、OSを入れ直さないといけない場合に、インストールや設定作業について対応できる人材をすぐに確保できるかどうかはとても重要である。
    システムが止まってから、復旧するのに時間がかかってしまうことは、業務で使おうとするシステムでは許されないことだ。
    その点、操作が楽で、技術情報や参考資料にも困らない。しかも使い慣れている人材の多いWindows環境は、情報を仕入れたり相談するのも楽で、優秀な人材の限られているUNIXやLinux環境と比べ、何かと有利である。

  3. 更新が簡単で、サポート期間が長い
    セキュリティ対策、不具合修正など、OSやアプリケーションソフトの更新は、日々行われている。
    LinuxなどのOSでは、ソフトウェア毎にベンダーが異なり、最新の状態にするためには、それぞれのサポートベンダーからの提供を受けなければならないので、自ら管理しようとするとかなりの労力が必要になる。
    Windows系OSは、導入時の初期コストは、やや高めかもしれないが、無償更新期間やサポートしている期間が長いため、業務利用にも安心で、更新も自動アップデート機能で簡単に行うことができる。

  4. 安定性・セキュリティの向上
    以前のWindows系OSは、UNIXやLinuxより不安定で、セキュリティホールも多く見つかり、サーバーOSとしては、不安視されていた。
    しかし、現在においては、サービスパックのリリースや、たびかさなるアップデートによって、安定度が高まってきたほか、セキュリティ面も向上し、ホスティング業者でも採用される機会が増えている。サーバーOSとしては分野にもよるが、完全に立場が逆転してきたといってもいい。
    また、LinuxなどのOSでは、プログラムソースが一般公開されており、こういったソースをベースに製品開発されている場合、セキュリティホールをハッカー等に発見されやすい側面がある。
    Windows系OSは、ソースは基本的に非公開なため、見方を変えれば、よりセキュアなOSとも言えるのではないだろうか。


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